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1.帯のはなし■着るひとの個性を表わす

ご相談で案外多いのが、帯に関する質問です。
着物は何枚か持っているのに帯がないとか、着物と帯の合わせ方がよくわからないとか、帯は成人式に締めた「光った帯」しかない、とか。
 
着物は着るひとの引き立て役、帯は着る人の主張や個性を表わす役、と考えています。
帯で遊ぶ、という感覚。季節感や装う楽しさを味わうのが帯なのです。「染め帯」がその代表選手といえるでしょう。
 
帯の種類は、袋帯名古屋帯半巾帯の三つを覚えておけばいいと思います。では、袋帯名古屋帯はどこが違うのでしょうか。何となく袋帯はよそいき(礼装)、名古屋帯は普段着・街着かしら、というところでしょうか。
 
実際は、袋帯にも名古屋帯にもそれぞれ礼装用と街着用があります。製作技法でも、それぞれ織帯と染め帯があります。
つまり、袋帯名古屋帯の大きな違いは、寸法(長さ)と仕立て方だけなのです。
 
では、売り場ではどうやって見分けましょうか。袋帯は折りたたんだ状態、名古屋帯はきものの反物のように、巻かれた状態で売られています。

袋帯

色留袖に袋帯
  • 仕立て上がり寸法で、巾8寸2分(約31cm)長さ1丈1尺3寸~5寸(4m30cm~37cm)
  • 表裏を袋状に織ったことから、この名前が生まれました。今では、表に文様を織り出し、裏を無地に織って、両端を縫い合わせたものがほとんどです
  • 礼装用か街着用かは、技法(金糸や銀糸を用いている、など)や図柄で決まります
  • 礼装用には、唐織や佐賀錦などが華やかで格調が高いです
  • 袋帯でも街着用を「しゃれ袋」といいます。格は名古屋と同じです
  • お太鼓は「二重太鼓」で結びますが、長さがあるのでさまざまな「変り結び」ができます

名古屋帯

  • 仕立て上がり寸法(長さ)で、巾8寸(約30.5cm)長さ9尺5寸~6寸(3m60㎝~65cmくらい)
  • 胴に巻く部分を、初めから半分に折って(半巾)縫い合わせた帯です。お太鼓の部分は、反物の巾いっぱい(半巾に対して並巾といいます)のまま、3尺(1.2m)ほど引き返して綴じます。全体に帯芯を入れて仕立てます
  • 「九寸名古屋帯」(芯を入れて8寸巾に仕立てるため縫い代分がついている)といいます
  • 織名古屋と染め名古屋があります。織名古屋帯の中には、袋帯と同様に、礼装のきものに締める格の高いものもあります 
鱗(うろこ)模様の織名古屋帯
鬘(かずら)帯模様。お能で鉢巻のように締め、後で長く垂らす巾の狭い帯
両方とも織名古屋ですが、鬘帯模様の帯に比べるとカジュアル
塩瀬の地に桜の花を染めた友禅染名古屋帯
3点とも店主創作の染め帯。左端は丁子屋オリジナルの両面帯で、桜とイチョウがお太鼓の裏表に描かれている
美大生が染めた手拭いの帯。切り分けられた食パンです。
  • 帯芯を入れず、引き返したお太鼓部分の両端をかがるだけの簡単な仕立ての帯を、「八寸名古屋」といいます。胴回り部分を縫い合わせていませんので、「開き名古屋」ともいいます。
  • ただし、開き名古屋イコール八寸名古屋ではありません。開き名古屋は、仕立て方を表すもので、九寸名古屋にも開き名古屋はあります
  • また、袋帯と名古屋帯の長所を取り入れて作られたので、「袋名古屋」とも呼ばれます。大部分が織帯で、気軽な外出着・普段着に多い帯です
 

半巾帯

ウールの着物に袷の博多半巾帯
  • 並巾の半分、4寸(約15cm)ほどの巾で、長さは3m50cmほど。ただ最近の半巾帯は、巾、長さとも広く長くなっています
  • 夏物の単帯、芯を入れた袷帯、初めから袋状に織られた「小袋帯」があります
  • 最近は、パーティなどの遊び着に向く、華やかな半巾もありますが、もともとは普段着の帯なので、自由に結んで楽しめます
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